紙のはなし

こんな経験はありませんか?
本屋さんで手に取った本の表紙の質感が好きで、つい立ち読みを始めてしまった。
このノートの書きごこちが好きでずっと同じものを使っている、とか。
人間の手はとても敏感で、ほんの些細な素材の違いも感じとります。情報というと文字を思い浮かべますが、指先などの触感で感じる情報もすごく大事です。
名刺においても、同じことが言えるかもしれません。
MAGIC PRINTでは、大の紙好きである店主が選りすぐった紙を使って活版印刷名刺をお作りしています。ウェブ上で実際の紙をお手に取れない分、ここではちょっと深めにそれぞれの紙についてご説明していきたいと思います。


ハーフエア
持った感じはふんわりと軽く、程よいざらつきが手触りよく、厚みもちょうどいい。ハーフエアとは良いネーミングですね。柔らかいので版がよく食い込み、活版名刺では定番の紙です。
白くて質感の良い活版名刺を作りたいとお考えの方でしたら、このハーフエアをお勧めします。


ブンペル
ハーフエアより硬めというか、ハリとコシがある感じです。原材料に雑誌古紙やダンボール古紙を使っているので、適度に紙むらがありラフな雰囲気です。
ハーフエアは鉄板ですが、個人的にはブンペルの方が好みです。ざっくりとした無骨感を出したいという方におすすめです。


TONE F
異なる2つのグレーの階調(TONE)から生まれた紙です。寒色系のクールグレーと暖色系のウォームグレーがあります。
表面は割と平滑ですが、見た目と手触りに少しざらつきがあり、クールで大人びた印象を出したい方にお勧めしたい紙です。


チップボール・クラフトボール
ともに0.6mmくらいある厚めの紙です。
チップボールグレーは、よく箱の中敷きに敷かれているようなざらつきのある厚紙で、素朴な雰囲気です。黒で印刷する無骨で男らしい雰囲気になります。
一方、クラフトボールは表面が滑らかでナチュラルな厚紙。こちらも黒の印刷が似合います。

コースター
飲み物の下に敷くコースターに似た白の厚紙です。取扱用紙の中では最も厚く、厚みが0.9mmあります。
この紙、厚いのですが持った感じはふんわり軽く、見た目もナチュラル。クッション性があるため、版が紙によく食い込み、陰影が出しやすいのも特徴です。深めの印刷、陰影を楽しみたい方にお勧めです。